打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?ドラマ版はノスタルジックの最高傑作

出典:Amazon

ノスタルジックは好きですか?
ノスタルジックに触れたくないですか?
ノスタルジック不足してないですか?

だったらこの作品を見てはどうでしょう?

“打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?”

この作品にはそれが沢山詰まっています。

そして来月2017年8月18日に、アニメ映画“打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?”が公開されます。

それを知った時、「マジでっ!?あれがアニメ映画化するのっ!?」とワクワクした興奮に襲われました。

思い返せばこの作品は、ノスタルジックなものが好きである自分の原点となる作品なのではないかと思う。
というわけで、アニメ映画公開前に久々に改めてこの作品を見直してみました。

注意:ネタバレを含みますのでご覧になっていない方はご注意ください。

打ち上げ花火、横から見るか?下から見るか?とは

脚本・監督:岩井俊二
キャスト:山崎裕太・奥菜恵・反田孝之 他

あらすじ

小学生の典道と祐介は仲の良い友達だが、実は二人とも同級生のなずなのことが好きだった。しかしなずなの両親が離婚し、彼女が母親に引き取られて二学期から転校することになっているとは、二人には知るよしもなかった。親に反発したなずなは、プールで競争する典道と祐介を見て、勝った方と駆け落ちしようと密かに賭けをする。勝ったのは祐介か? 典道か? 勝負のあとから、異なる二つの物語が展開する。

出典:ウィキペディア

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?と自分

この作品が放送された1993年の当時僕は11歳で小学5年生だった。
子供ながらにその少し変わったタイトルに惹かれていたような気がする。

でもリアルタイムで見てはいたけど小学生の自分にとっては
作中の少年達が疑問に感じる花火は横から見たら丸いのか?平べったいのか?
という部分にしか興味を感じていなかったと思う。

大人になって分かるこの作品の良さが、小学生当時の自分にの分かるはずなんてないのである。

この作品は小学生の頃に一度見てから、次に見たのは20代の中盤頃だった。
大人になってから見たこの作品は小学生の頃に見た時とは全く違う印象だった。

それからまた時間が立ち今回アニメ映画化されることを知って
この作品を好きだった思いが頭の片隅から「そうだ好きだった!この作品好きだったんだ自分!」
と、グイっと中央に引っ張り出されたので改めてこの作品を見返してみる事にした。

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現在35歳付近の人にはとても懐かしいものが沢山出てくる

現在35歳付近の人にとってとても懐かしいものが沢山出てきます。

・スーパーファミコン
・スーパーマリオ
・スラムダンク
・ヴェルディ対マリノスのチケットの話(Jリーグ初期の最も人気のあったカード)
・「昇~竜~拳!」と騒ぐ男子(今でも続いている人気格闘ゲーム、ストリートファイター内での必殺技)

男子が無意味に昇竜拳!と騒ぐ様子なんてまさに、自分が友人とスト2ごっこをしていたことを思い出してしまう。
(ちなみに僕は、中学生になってもスト2ごっこはやっていた)

“小学生×夏休み”という最高の設定

小学校、中学校、高校、大学の学生の間、どれも夏休みはあるにはある。
でもやっぱり、小学校の夏休みはやっぱり他とは違う。

人生を振り返ってみて純粋に心の底から夏休みを楽しんだなと思えるのは小学校の夏休みだ。

中学校、高校の夏休みとなると全然違ってくる。
部活やら受験やら進路やらと・・・。

だけど小学校の夏休みは違う。

100パーセント純粋に夏休みを楽しんでいた。

そんなとっても貴重なキラキラとした小学校で味わえる夏休みの価値を
小学生たち本人は知らない。

時間が過ぎて大人になってもう二度と戻れないと知ってからその価値に気が付くのである。
それが当たり前ではあるんだけれどもね。

地元の花火大会やノスタルジックを感じるものが沢山

地元の花火大会、セミの鳴き声、夏のプール、夏休みの宿題、友人と好きな子が被ってしまうなど
ノスタルジックを感じずにはいられないものが沢山出てくる。

典道と祐介が水泳で対決し、勝った祐介がなずなに花火大会に誘われるのだが、
結果、照れと戸惑いもあり男の約束の方が大事だとなずなの誘いを断ってしまう。

このへんの変にカッコつける小学生男子の姿が描かれており、
見ていて恥ずかしくもありつつ可愛いなとも思ってしまう。

もう二度と戻らない小学生の頃を懐かしんで
ああ~いいな~、戻りたいな~とキュンキュンしてしまう35歳のおじさんの自分がいるのである。

ココが好き

個人的にとても好きな部分がある
それは、『典道と、なずなの身長差』だ。

小学生の高学年の頃にありがちな女子の方が背が高くて男子の方が背が低かったりする。

この作品でも、典道よりもなずなの方が背が高い。
こういう細かな拘りがなんとも良いなと思う。

この後でも触れるが、“少年たちは花火を横から見たかった”という別の作品で
典道を演じた山崎裕太と、なずなを演じた奥菜恵が約7年ぶりに当時のロケ地を巡って
当時を振り返るのだが、なずなを演じた奥菜恵よりもずっと小さかった典道を演じた山崎裕太の方が
ずっと背が大きくなっているのである。

大人になるにつれて小さかった男子が、自分よりも背が大きかった女子の身長を追い抜くというところに
なんだかグッときてしまう。

“男の子” が “男”になっていくたくましさを感じる。

不便だけど昔っていいなと思う

少年たちが夏休み中の登校日に花火を横から見たら果たして、
丸いのか?平べったいのか?という疑問を確かめるために皆で花火を横から見ることができる灯台へと出かける。
そう、“少年たちの夏の冒険だ”

“少年と冒険”は切っても切れないものであり、少年の特権なのである。

現在2017年の小学生だったらこの疑問とどう向き合うのだろうかな?と思った。
きっと家にパソコンがあったり、小学生でもスマホを持ってたりしてると思う。
だからきっと、ネットで答えを検索してしまったりするのかなと思う。

作品が放送された当時、自分も少年達と同じ世代で今とは比べ物にならないくらいに
情報を得るということに関して不便だたった。

先生に聞くか、親に聞くか、いとこのお兄さんに聞くか、図書館で調べるか、
今と比べたらも物凄く不便な時代だったのは間違いないけれど、

分からない事を実際に確かめるという事の方が、
アナログの世代で少年時代を過ごした自分からしたらやっぱりこっちの方が
面白いんじゃないのかなと思ってしまう。

ふたつの物語展開

この作品は途中から全く違うふたつの物語展開をみせていく。
なずなは両親の離婚に反発して家出をしようと思うが一人でするのは心もとないので
典道と祐介がクロール対決をして勝った方と駆け落ちをしようと思い立つ。

対決の結果は典道がターンの失敗で足を怪我してまい祐介が勝つことになる。
勝った祐介に、なずなが花火大会に行こうと誘う。

そして物語は、祐介が勝ったパターンで話が進んで行くのだが、
祐介は結局、なずなからの花火大会への誘いを断り友人達と花火は横から見たら丸いのか?
平べったいのか?を確かめるために灯台へ行く事を選択する。

その結果、なずなの駆け落ちの計画は失敗に終わり彼女は母親に連れ去られてしまうのである。

そしてここで典道がもし自分が勝っていたらと思い、
物語が巻き戻り典道が勝った場合のパターンで物語が再び進んで行く。

典道が勝った後、なずなと二人でバスに乗り駆け落ちの旅に出る。
しかし結局二人は駆け落ちなんて出来ずに帰ってきてしまい小学校のプールに忍び込む。

プールで過ごした後、なずなが「次に会えるのは2学期だね、楽しみだね」と言って背を向ける。
そのなずなの姿をただ茫然と立ち尽くしている典道のバックショット・・・。

なずなは、転校してしまうのでもう典道に会う事はないと分かっていながらこの言葉を言っているわけである。

自分が転校する事を知らない典道の事を悲しませない為に言ったのか
はたまた、転校するという現実を受け入れらなくて夏休みが終わっても
またいつものようにこの学校に来るんだろうなと思い言ったのかは分からないがなんとも切ない場面である。

でもチョットだけ、なずなの小悪魔的なところが伺えるとも思った。
この年代の男の子は凄くガキで、女の子はとてもませているなと感じさせられる。

“少年たちは花火を横から見たかった”もせっかくだから見てみた

出典:リサイクルメディア館

典道を演じた山崎裕太と、なずなを演じた奥菜恵が当時のロケ地を思い返しながら巡るというもの。
撮影から約7年の月日が経過しており、山崎裕太の身長が大きくなっている事にとても驚く。

7年ぶりの典道となずなに久々にに出会えた気がして、なんだかとても嬉しくなる。

当時を振り返りながらロケ地を巡るのだが、二人が自然と典道となずなのセリフの掛け合いをする。
時にちょっと笑いながら、当時と今を行ったり来たりする感じがとても良い。

他にもこの作品の当時の制作スタッフの話や、岩井俊二のインタビューの映像もある。
岩井俊二が大学生の時に小学生の駆け落ちの話を書こうと思っていたらしく、
その頃には典道となずなの原型があったのだと語っていた。

まとめ

この作品には個人的に好きな要素がたくさん詰まっている。

子供の頃の大切なものを思い出させてくれたり、
少年の頃のワクワク感や冒険心だったり、
子供から少し大人になりつつある時期を描いていたり、
駆け落ちをしようと思い立つ小学生の何も知らないけど自由な発想だったり、
両親の離婚をどうすることもできない子供の頃の無力感だったりと。

ノスタルジックと切なさと、二つの物語の展開をみせる手法。
チョットしたことで人生とはこうも違うものになっていくのかと、
非常に見ごたえのある作品です。

35歳になって見直して改めて素晴らしい作品だなと思った。
アニメ映画公開の前にぜひご覧になってはどうでしょうか。

huluで原作ドラマが見れる

Huluで、“打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?”が見れます。
最初の14日間は無料です。 

画像はhuluより引用

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それでは、ミッツでした!

関連記事:【映画レビュー】打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?を見た感想。”もしも”が何度もあってガッカリした。

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